サラリーマンが副業を安全に行うためには禁止事項を確認しましょう

目次

会社や組織の就業規則を確認する

企業 会社

本来であれば、会社は従業員の副業を全面に禁止することは出来ません。

社員は、会社との雇用契約によって定められた勤務時間にのみ労務に服するのが原則であり、就業時間以外は、副業への従事を含め、私生活で自由に使うことが出来るのが前提となっています。



ですが、会社の就業規則で副業についての規定がある所も少なくありません。

2019年4月1日から働き方改革関連法が順次施行されましたが、中小企業は未だに規定を変えた所は少ないと思います。



国が副業を推奨しているのに、なぜ会社が副業を禁止している理由ですが、まずは「本業の業務に支障をきたす可能性がある」からです。

もう一つが「守秘義務の問題」です。



副業に肩入れしすぎて過重労働となり、本業がおそろかになってしまったり、本業と同業で副業をする場合には業務上の機密事項やノウハウなどが漏洩してしまう危険性を会社が危惧しているのです。

多くの会社では就業規則をしっかりと提示しています。会社の就業規則に副業を禁止する記載があるかどうかを確認することが最初のポイントになります。



就業規則による副業の禁止には、法的な拘束力はありません。法律や労働関連法規においてはその類の規定はないのです。

原則的に就業時間以外は個人の自由にしてよい訳ですから、絶対に禁止という訳にはいかないのです。

建前としては「副業が全面禁止または許可制の場合は会社の許可を得て行いましょう」になります。



就業規則に拘束力はあるのか?

就業規則は会社と社員の間の取り決めなので、法律で禁じられていない以上、就業規則で副業を禁止していても法的な拘束力はないという見方もできます。

しかし、就業規則の拘束力については裁判でも判断が分かれています。会社に無断で副業をしたことを理由とする解雇処分を、不当とした判例がある一方で、解雇処分を妥当とした判例もあります。



司法の判断基準の一つは「副業の影響が本業に対してどの程度あったのか」です。

副業の内容や仕事量、本業の勤務態度などから、副業のせいで本業に支障が出ていたとみなされた場合に、就業規則で定められた副業禁止の拘束力が認められるようです。

反対に、本業にそれほど影響がないなら、解雇は不当とされる傾向があるようです。


懲戒が妥当とされるケース

・本業に支障をきたした場合

オーバーワークにより心身の疲労が蓄積し、本業の仕事能力が落ちるため

・対外的な信用をなくした場合

世間的にイメージのよくない仕事だと会社の評判に関わるため

・同業他社で働いた場合

機密事項やノウハウ漏洩の危険があるため



副業は会社や同僚などの公認を得たほうがいい?

オフィスの様子

就業規則で副業が許可されている場合、会社や同僚公認のもと正々堂々と副業をしたほうが、気持ちよく業務に取り組めるメリットはあります。

しかし、副業を公認にすることによるデメリットもあるのです。



副業によって収入があると周りに知られると、場合によっては「本業より稼いでいるらしい」とか「生活が苦しい・借金があるらしい」「独立・転職を考えているらしい」などの噂が立つ可能性があります。

特に収入に関する話は自分が思っている以上に周りは敏感になるので、影で噂されることは通常の反応だと思います。



副業でかなりの金額を稼いでいる人は、妬みを買う可能性があるので黙っている人が多いようです。

本業より稼いでいる場合などは特に人間関係も注意しているようです。



そして副業をしていることを周囲の人達が公認しているということは、決して本業に支障をきたしてはいけないのです。

体調不良などになった場合、副業が原因と誤解されたり、ズル休みして副業をしているのではないかと疑われる可能性もあります。



本業でミスでもしようものなら、「副業だけは頑張るのだね?」とかの嫌味を言われることを覚悟しなければいけません。

こうなるとかなりのプレッシャーを感じることになります



プライベートな事に寛容な会社であれば別かもしれませんが、通常の会社であれば副業についての話はデメリットしかないことが多いと思います。

私が会社員だった時には誰にも副業の事は話しませんでした。どこから話が漏れるかわからないし、話に尾ひれがついたら面倒だと思っていたからです。

本業より副業のほうが稼いでいたので、余計にそう思っていたのもありますが。



会社が副業を積極的に推奨していて、同僚もみんな副業をしているのであれば上司や同僚に伝えても問題はないと思います。公認にすることによって、会社や同僚から支援を得られる場合があるからです。

同僚との本業と副業においてもお互い様なので、助け合いが期待出来ます。

会社に副業を申請する場合

棚の状況

副業の申請書は、公務員向けのものであれば定形のフォームが公開されていますが、官公庁や自治体等で異なるものであり、決まったフォームが基本的に存在しません。

民間の会社の副業許可申請書に関しても同様で、特に決まったフォームがないかもしれません。



会社が示すフォームがあればそれを使い、なければ必要な要素が盛り込まれているものを用意しましょう。

ネットで副業許可申請書と検索すれば色々な種類があります。



副業の許可制の会社で、申請しても認められなかった場合は、主に副業先、副業で受ける仕事内容に問題がある場合がほとんどです。

副業先が本業と競合する会社であった場合や、公序良俗に反するような副業、明らかに本業に支障をきたすような働き方がこれに該当します。



副業を始める人の多くは「お金が必要」という理由ですが、その理由に加えて正当な理由をつけることも大切です。

本業では得られない知識、スキル、経験が培われ、またそこでの新たな人脈が広がるなど・・・。



1.本業に支障がないことにも触れておきましょう

副業を認めることで会社が一番嫌がるのが、本業に支障が出ることです。

申請書では、本業の業務にはまったく支障がないことについて触れておくと、会社が拒否する理由はなくなります。

法的な正当性をアピールするのもポイントになります。

2.嘘を書かない

嘘はいずれボロが出てバレるということがほとんどです。仮に本業に支障をきたさないとしても、嘘をついたという理由だけでも十分信用にキズがつきます。

少しでも信用してもらえるように、デメリットがあったとしても嘘を書くことだけはやめましょう。



会社に副業を申請しない場合

色々と面倒くさいので、副業を会社に申請しないで、知られないようにしていたのにも関わらず、副業をしていることが会社に知られてしまう原因の多くは「確定申告」にあります。

副業で所得が年間20万円を超えた場合は確定申告の義務があります。



以下の記事で確定申告についての説明をしています。



副業が本業の会社に知られてしまう原因には、副業で収入を得ることによって翌年の住民税が増額してしまい、年末調整時に会社に発覚してしまうという事が多いようです。

会社の就業規則で副業について定められていない以上、会社に副業の申請を出さないこと自体は何の問題もないのですが、申請を出しておかないと、このような事態になった時に対処が迫られます。

言わなくても良いような事まで説明する羽目になる可能性もあります。



本業と副業を両立させるには?

助けがいる

副業で最も大切なのは「本業との両立」です。

収入を得る生活の柱はあくまでも本業なのです。



本業と副業の線引きは明確にしておかなくてはなりません。それに、もしも本業の勤め先に内緒で副業をしている場合は、両立出来ないと思わぬ所から発覚してしまうおそれもあります。

最低限のルールとして、「本業の就業時間中には副業をしない事」です。



また、本業で使用する美品はボールペン1本でも勝手に持ち出して使わないなどルールを決めるべきです。

副業を頑張ってやりすぎて疲れがたまり、本業がおそろかになるような事も避けなくてはいけません。