税務調査~個人事業主や副業に何年さかのぼるのか?時期や結果など

目次

ある日突然電話がかかってきます

電話がかかってくる

仕事で県外に出ていた9月下旬、 知らない番号から電話がかかってきました。

調査官 「〇〇税務署のDと申します。W様の電話で間違いないでしょうか?」

私 「はい、そうですけど?」

この時は特に何とも思っておらず、次の言葉を聞くまで冷静だったと思います。

調査官 「来月、税務調査を行いたいので10月の△△日からの週と、□□日 からの週のどちらがよいでしょうか?」

私 (ぜいむちょうさ?なんだっけ?税務調査?・・・・・・・・・・・・・・ やばい!!マジか!! なんで?なんで?なんか変な事したっけ?)

一気に汗が出てきて、何かの悪事が見つかったような感じで焦りまくりです。 来月は1日から1週間の出張があったはずだけど、スマホを見ないと予定がわからないし、とにかく焦って自分が何をしてたのかわかりませんでした。

私 「今は予定がわからないので、調べてから折り返し電話します。」

とりあえずそれだけは伝える事が出来たのですが、電話を切った後はその場をうろうろしながら何が起こったのかをずっと考えていました。

私 (なんで税務調査?何か変な事したっけ?確定申告に問題があった?)

心臓がバクバクと鳴ってて冷や汗もかくし、落ち着くまで数分はかかりまし た。

少し落ち着いたら、まず最初にAmazonで税務調査関係の本を数冊買いました。 今までに個人事業主の経費とか節税の本は読んでいましたが、税務調査の内容について細かく調べる事もありませんでした。

何故だかわかりませんが、自分には関係のない他人事だと思っていたので。 電話を切って1時間程度経って少し落ち着いてきた私は、予定表も確認したので税務署に電話をかける事にしました。

いたずら電話かもしれないと微かに希望をもっていましたが、税務署を検索し て表示された電話番号を見て現実だと気づかされました。

私 「10月日の〇〇週ならいつでも構いません」

調査官 「わかりました。では※日でお願いします。調査項目は何と何で ~  ~の二人で行きます」

何を言っていたのかよくわからず、生返事だけして電話を終わりました。 その後は仕事どころではなく、本屋でも税務調査関係の本を買って早々に家に帰りました。

妻にLINEで「税務調査に決まりました」と送ったら「おめでとうございます」 と返事がありました。ありがとう妻よ。

その日の夜から数日間、仕事もせずに本を読んだりネットで情報を集めて過ご しました。 夜も眠りが浅くなったりして、気分が不安定な日が続きました。

主に元税務調査官が書いた税務調査の本を読んでいたのですが、だんだんと 根拠のない自信がわいてきました。

私 (悪い事をしてるつもりはないし、やってやるぜ!!)

私 (勝つのはこっちだ!!)

私 (税務調査の対象に選んだことを後悔させてやるぜ!!)

私 (キャインと言わせてやる!!)

隠し玉もあるし、必要な資料を取り寄せて当日に備えることにしました。

その時の私は開業4年目で確定申告3回を税務署でしています。 年間売上は毎年ほぼ同じで約3,000万円です。

税務調査1日目 午前の部

税金 所得税

対決の日がとうとうやって来てしまいました。10時から始まる税務調査ですが、9時半を過ぎた頃から緊張してきました。玄関のモニターを何度も見ながら、家の中をうろうろと歩いていて落ち着かなかったです。

そうこうしているうちに、ほぼ10時ぴったりに家の前に車が1台来ました。 来たー!この日の為に用意したICレコーダーのスイッチオン! ノートにメモ書きした「冷静に!余計な事をしゃべらない」をもう一度確認。

玄関のチャイムがなって二人の男性が入ってきました。手にパンパンの鞄を二人とも持っています。泊まりに来たの?と聞きたくなるくらいです。

調査官D 「電話したDです。」

調査官N 「よろしくお願いします。」

その場で国税質問検査章を見せてもらいました。 写真付の身分証明章は提示されなかったと思います。

調査官Dは30歳くらいの人です。そういえば今年の確定申告の会場で話をしたのを思い出しました。 確定申告3回目だったのですが、1回目と2回目では問題ないと言われていた青色申告の書き込み内容について

調査官D 「これでは控除額65万は認められません。10万になります。」

私 「一昨年と去年はこれでいいと言われたんですけど?」

調査官D 「これではダメです」

問答無用で青色申告基礎控除額を10万にされました。 頭にきた私はその日は提出せずに、後日修正して再提出しました。

そんな事があったのでその調査官Dを覚えていました。調査官Nは見た事がないと思いますが、50歳くらいの人でした。

私の自宅兼仕事場に案内していよいよ調査開始です!

最初はこの仕事を始めたきっかけ等の話から始まり、現在の仕事の状況、 仕事に使うツール等の説明をしていきました。

過去にヤフオク、タオバオ等の中国輸入、株、FX等をしていたという雑談込みの話をしていきました。(今思えばお金に関係する話はあまりしない方がいいと思います。)

質問するのはほぼ調査官Dだけで二人とも熱心にメモを取っています。調査官Nは家の内部を観察しているように見えました。

約1時間後、書類チェックに入りました。 帳簿類、レシート等、銀行の入出金明細等の確認ですが ここで問題があるのを白状しました。

私 「青色申告の複式簿記が入っているパソコンが壊れているのでお見せ 出来ません。」 半年前から家のデスクトップパソコンが立ち上がらくなっていて青色申告のソフトが使えなくなっていました。

日々のデータはエクセルでノートパソコンに保存されています。 複式簿記のデータが認められない場合は控除が10万になりますが、その時はしかたないと思っていました。

デスクトップパソコンを立ち上げて、証拠を見せたのですがその時は特に何も 言われませんでした。

その後は複式簿記の入力方法とかエクセルデータの入力内容や棚卸表とかの内容を詳しくつっこまれました。

本当にやっていたのか、意図的に隠しているのかを確認する為、容疑者扱いです。

ファイナンシャルプランナーの資格を持っている事や、株をやっていたのでバランスシート等の読み方は知っているのである程度は元から知っていました。 そうこうしている内に12時になったので午前の部は終了です。

税務調査1日目 午後の部

税金

午前の調査が終わった後に、調査官達は車で出かけていきました。作戦会議を車の中でしているのだろうと思いました。

約1時間後、午後の部開始です。

午後の部からは調査官Nがほとんど質問するようになりました。

まずは使用している銀行口座について質問されています。振込されている銀行やその他に口座がないかどうか聞かれました。



今は使っていませんが他に5,6程度銀行口座があります。それをすべて見せて下さいと言われたので全部見せています。

次にクレジットカード一式も見たいと言われたので財布の中や引き出しにある クレジットカードも全部見せています。すべて内容を記録していました。



どうやら午前中から棚の上にあるケース一式が気になっていたようなので、その中を確認されました。目につく範囲の違和感や、引き出し等の中はチェックしたいようです。

ずっと青い5センチファイルの様な物を持って確認していたので、それが世に 聞く「調査の手引書」なんだろうと思いました。



その次はパソコンの中のデータチェックに入ります。その時にエクセルで簡単な家計簿を付けていたのですが調査官Nが興奮した 様に「これ!これが大切なんですよ!」と言っていました。

どうやら企業の貸借対照表に該当するとかだそうです。参考程度にはなると。



その次はプリントスクリーンでデスクトップ画面にショートカットしている 物を記録されました。

Internet ExplorerやGoogle Chromeのお気に入り登録にしている一覧の説明、 これも記録です。

他にはメールの使用や内容の確認。



その次は隠しフォルダを表示する設定にしてエクスプローラー、マイドキュメントの中身を見られています。

各種Amazonのレポート、銀行の取引 履歴のデータ、検索ワード「売上」「売り上げ」の確認。

Amazonや楽天の購入履歴の確認。

証券口座にログインして口座内一覧を見られています。




そして次に私にとって税務調査の最大のピンチが訪れます! !




調査官N 「このファイルは何ですか?」

私 「・・・・・・それエロゲー。」

調査官Nは華麗にスルーしてくれました。

調査官N 「このファイルは何ですか?」

私 「・・・・・・・・・・・・AVのデータ。」

調査官Nは華麗にスルーしてくれました。ありがとう。




すげーはずかしいんですけどーーーーー!!!!


パソコンの中身を見るなんて聞いてないよーーーーー!!!!


一気に疲れた気がして、冷や汗をかいてしまいました。

そんなこんなで16時になりました。 提出したデータを精査して何らかの報告をしますと、調査官達は 帰っていきました。


<<提出したデータ一覧(USBメモリーに保存)>>

・銀行の入出金明細 ・Amazonの各種レポート

・デスクトップ画面のショートカット

・Internet ExplorerやGoogle Chromeのお気に入り

・家計簿

・売り上げを記録しているエクセル表

<<現物として提出>>

・3年分の領収書のファイル一式

税務調査2日目

税務調査

1日目の調査が終わった後、精神的に疲れ、何もする気がなく椅子に座ってぼ~っとしていました。

その後「明日はどうしようかなー」っとネットを何気なく見ているとスマホが 鳴りました。画面を見ると「○○税務署」です。

一気に現実に戻されました。時間はまだ18時になっていませんでした。

電話の内容は資料を精査した結果、もう一度家に来て話を聞きたいとの事でし た。 次の日の予定を決めていなかったので、次の日に急遽「税務調査2日目」と なりました。

何か嫌な予感がしたのを覚えています。

税務調査2日目、今日も10時に家に来る予定です。今回もほぼ10時ぴったりに家の前に車が1台来ました。

前回と同じ、調査官Dと調査官Nの二人が来られました。今回の調査の目的は銀行の入出金明細を確認した所、起業する前の年度にも入 金がある理由を聞きたいとの事でした。

私は副業でやっていたというのを正直に話しました。調査員に売り上げや仕入れ、経費がどれくらいかかっていたのかを聞かれたの ですが、副業の時だったので資料を作ってなく、記録を何も残していませんでした。

ネットで副業と検索して出てくるものは、ある程度は実践しています。色んな事を同時進行していたので、時系列もあやふやで自分でもよくわかりません。

その辺は色々話したのですが資料や記録等、ないものはないのです。その後は、今回も2台のパソコンの中身チェックです。

パソコンのネット履歴や検索ワードを確認され、1日目が終わった後に何か細工をしていないかチェックされています。



何もないから好きに調べてもらっています。(操作はすべて私がします)

今日も「調査の手引書」片手にチェックです。

最後に経費、仕入関係の金額を計上しないといけない為にその根拠として、クレジットカードの過去の明細を取り寄せて欲しいと言われ ています。

それと業務用の銀行から生活費として振り込んだ、生活用銀行口座の履歴と何行かの銀行口座の履歴を取り寄せて欲しいと言われました。

税務調査は面倒くさいと、改めて思い知らされた日となりました。

税務調査3日目

税務調査

前回の2回目から約3週間後、資料が揃ったので3回目となりました。

その間に調査官から進捗状況確認の電話がありました。

調査官D 「資料はどうなりましたか?」

私 「資料を揃えるのに最低3週間はかかるって言いましたよね? まだ何もしてませんよ?」

調査官D 「わかりました、また来週電話します」

私 (来週でも3週間にならないのに・・・電話しなくていいよ。逃げると思われているのか?)

税務署から電話がかかると、仕事する気がなくなるので 本当にやめて欲しいと思っています。

各カード明細、各銀行明細等を揃えました。それを参考に、白色申告の用紙に記入をして欲しいと前回に言われていました。

確定申告をしていない、副業時代の4年前と5年前の資料作成です。

資料作成なんですが・・・・・わからない!! カード明細を見てもよくわからないんですよ。色んな事をしていたので、不思議な項目もあるし、本当に使ったのかさえわからない明細もありました。

集計をある程度していると、時間もかかるし段々腹が立ってきました。

「なんでこっちがこんな面倒くさい事をしなければいけないんだ!! 税務署の仕事だろ!!!」

そういう結論に達したので、よくわからないから確定申告の年度を参考に比率でさくっと計算して、白色申告に書き込みました。


今回からは税務署の中で打ち合わせとなります。

税務署の会議室に通されて資料を渡し、白色申告の説明等をしました。

その時に分かったのですが、1回目に渡した資料をとことん調べているみたい でした。 Amazonのレポートなんて自分自身1回もまともに見た事ないんですけど・・・。

仕事とはいえ、調査官の努力に感服いたしました。

今回渡した資料を元に、調査官の方でも集計するみたいなので、またまた連絡待ちです。

税務調査4日目

税務調査

前回から約1週間、そろそろ電話がありそうな予感がありました。

この頃になると只々面倒くさいの一言です。 税務調査が始まる前はやる気MAXだったのですが、本業の妨げになるので 早く終わってほしいと願う毎日でした。

今回も税務署にて打ち合わせです。

調査官D 「これが資料を基に計算した物です、まだ正式ではないのですが」

私 「追徴税額はいくらになりました?」

調査官D 「200万超えましたね」

腰が砕けるかと思いました。消費税だけで100万いくのはわかってたのですが。

副業時代も年間売上が1000万円を超えていたので、ある程度は覚悟してました。

私 「予想より多いですねー、困りました。」

私 (マジかー!泣きそうだよ・・・追徴の平均金額を上げてしまった・・・。)

私にお金がないのは、1回目からアピールしていました。2回目で副業の事を話した時に「分割支払い出来ますか?」とすでに支払いを認めています。

その後は他に経費になりそうなものや、忘れている事がないか二人で確認しあっています。この時はすでに修正申告に応じる意思表示をしています。

調査官Dも好意的に経費等を認めてくれています。これには本当に感謝しています、ここで揉めるとかなり長引くと思います。

最後に問題はどうやって支払うかに焦点を当てて話し合いました。

ある程度の結論が出た後、次は上司に書類を提出して審査待ちになります。

ここで恐ろしいのが、公務員も縦社会なので担当調査官がOKを出しても上司や審理官、所長にダメ出しをくらってひっくり返る可能性がある事です。

時期的にも絶賛税務調査中なので、時間がかかると言われました。

私 (これ以上増やされたら、更正しないといけないかも・・・)

私 (裁判まで行きたくない・・・)

追徴金額も多いし、気分的にかなり凹みました。

税務調査5日目 結果発表

びっくりした女の子

前回から約1週間、税務署から結果が出たのでまた来て欲しいとの連絡がありました。

思ったより早かったなと思いながら、時間を決めてまたまたまた税務署行きです。 確定申告で何回も来たし、馴染みになったので遊びに来てやったぞ!感覚です。

この時は開き直っているつもりでしたが、受付で調査官を待つ間にまた不安に なってきました。

私 (大幅に増えてたらどうしよ・・・)

今までに金の工面をここまで考える事もありませんでした。

調査官が来て、会議室まで行く途中も最悪の事態を想定して気分が落ち込みます。会議室に入ってまず、前回の計算表の正式バージョンを見せてもらいました。





そうしたら・・・・・





なんと・・・・





まさかの・・・





前回とほぼ同じでした。



これは喜ぶべきなのか?悲しむべきなのか?よくわかりません。

しかし過去5年分で済んだ事を喜ぶべきかもしれません。過去7年分調べられるともっと悲惨な目にあう事はわかっているので。

その時に気づいたのですが、ネット専業銀行の過去の明細が私が提出しているものよりも過去に遡って明記されていました。

調査官が書類1枚で銀行預金を調べる事が出来るのは知っていたのですが、 支店を持たないネット銀行に、どうやって書類を出させたのか気になりました。

まさかの電話?そうだとしたらネット銀行のセキュリティが不安になります。 口座番号と名前がわかっているから調べられたのか?それとも・・・?

その後は計算方法の説明を受けて、修正申告書にサインをします。修正された過去の青色申告と白色申告にサインと捺印をそれぞれします。

テーブルには5センチファイルがありましたが、それが私一人分だそうです。 調査官も書類を作るのが大変だと言っていました。

最後は少し雑談をしていたのですが、個人でも億単位の追徴金額をくらう人もいるそうです。またすごい事に一括で億単位を納付しているそうです。 世の中には金持ちがいるもんだ。

私が建築の現場監督をしていた時に、職人から聞いたのですが蜂蜜の養蜂場を経営している師匠が無申告で、7年分の追徴金額を億以上払ったというのを思い出しました。

その時は養蜂家になろうかとちょっと考えました。 世の中には金持ちに見えなくても、こっそり大金を持っている人はいるようです。

調査官とはそこで終わりです。次に納税をする為に徴収部門に引き継がれます。徴収官の方に一括では無理なので、分割方法にして欲しいと話は通してもらっています。 そこで納付書をもらって支払方法を聞き、税務署を後にしました。

まだ払ってはないんですが、終わったー!!と感慨深いものがありました。 最初の電話から約2か月半。私の戦いはひとまず終わりました。 この次は借金との戦いが待っています。こっちの戦いはさらに長引きそうです。


追徴金額はこちらの記事に書きました。



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