個人事業主や副業の税務調査とは?税務調査の流れ~スケジュールまで

目次

個人事業主やフリーランスの税務調査一覧

カレンダー

電話連絡

担当調査官から税務調査のについての連絡があります。

日程調整

こちらの希望日を伝えて、都合のいい日にしましょう。

事前通知

  • 実地調査を行う件
  • 調査開始日時や場所
  • 調査の目的
  • 調査の対象となる税目や期間
  • 調査の相手方である納税義務者の氏名及び住所等
  • 調査を行う当該職員の氏名及び所属等

以上の事を電話で決めますが、慌てずにメモを取りましょう。

実地調査

調査する人

午前10時から午後4時頃にわたり調査が行われます。

税務調査において必要がある場合には、納税者の承諾を得たうえで提出された帳簿書類などを預かる場合もあります。

また税務調査において必要がある場合には、調査官は取引先などに対し質問又は検査等を行う事があります。

結果報告

調査最終日に、調査官から納税者に調査結果の報告がなされます。

是認

申告内容に誤り等がなければ、是認通知書が交付されます。

修正申告等の勧奨

税務調査において、申告内容に誤りがあった場合や、申告する義務がありながら申告してなかった事が判明した場合には、調査官は調査結果の内容(金額や理由等)を説明し、修正申告や期限後申告を勧奨します。

修正申告等をした場合には、その修正申告等に係る不服申し立てをすることは出来ませんが、更正の請求は出来る事を説明し、その旨を記載した書類を交付します。

修正申告または更正処分

納税者自ら修正申告をするか、税務署が更正処分を行います。

調査終了

調査終了の通知書が交付されます。

本税・加算税・延滞税の納税

銀行や税務署で支払います。

再調査

税務調査の結果に基づき修正申告書等が提出された後、又は更正などをした後においても、税務調査の対象とした期間について新たに得られた情報に照らし非違があると認められた場合は、改めて税務調査を行う場合があります。

所得税の税務調査状況

調べる

所得税の確定申告数に対して約3%の割合で税務調査が行われています。

そして約60%に対して修正申告が求められています。

項目 平成28事務年度 平成29事務年度
所得税確定申告数 21,396,052人 21,681,307人
調査等件数 647,144件 622,637件
調査割合 ②/① 3.0% 2.8%
申告漏れ等の非違件数 400,467件 383,908件
非違割合 ④/② 61.8% 61.6%
申告漏れ所得金額 8,884億円 9,038億円
追徴税額 本税 985億円 1,048億円
加算税 127億円 148億円
合計 1,112億円 1,196億円
実地調査等1件当たり 申告漏れ所得金額 137万円 145万円
追徴税額 15万円 17万円



消費税(個人事業主)の税務調査状況

消費税の確定申告数に対して約7%の割合で税務調査が行われています。

そして約70%に対して修正申告が求められています。

項目 平成28事務年度 平成29事務年度
確定申告数 1,164,000人 1,161,000人
調査等件数 86,779件 87,550件
調査割合 ②/① 7.4% 7.5%
申告漏れ等の非違件数 61,049件 62,205件
非違割合 ④/② 70.3% 71.0%
追徴税額 本税 259億円 274億円
加算税 42億円 49億円
合計 301億円 322億円
実地調査等1件当たり 本税 30万円 31万円
加算税 5万円 6万円
合計 35万円 37万円



個人事業主の税務調査スケジュール

スケジュール管理

個人事業主やフリーランスに行う税務調査は一般調査であり、マルサによる強制調査ではないので納税者に協力を求めながら進める任意調査になります。

1件の調査日数が平均で4~5日程度しか与えられてなく、調査官は交付された事案を「時間のかかる案件」と「比較的すぐ終わる案件」に分けて処理をして行くが、所詮与えられた日数は4~5日しかないのです。

統括官から調査指令を受けた調査官は、まず準備調査をします。

自分なりに「調査の手引」を研究して調査内容を整理し、調査のポイントをピックアップする。そして、納税者に調査日時の連絡をして日程調整をすると概ね1日が経過してしまいます。

次に、実際に調査場所に赴き納税者から事業概況を聞き取り、帳簿記録の説明を受けるとまた1日が経過してしまう。

続いて、必要がある場合に帳簿や領収書などの書類を借り受けて、税務署に持ち帰って分析すると、さらに1日が経過してしまう。

最後に是正すべき事項があれば、納税者を説得して修正申告を提出してもらい調査書類をまとめて調査報告書を作成する。そして、修正申告に伴った加算税の処理や調査結果の入力をすると、また1日が経過してしまう。

これで調査に与えられた4~5日間がすべて終わってしまうという事なのです。

調査官のノルマは調査件数です。

ほとんどの納税者、税理士が税務署の指導に従順に従ってくれるという事が多いのですが、指導に従わなかったり、真っ向から反抗したりする納税者や税理士がいれば、それだけでイレギュラー対応が必要となり、調査日数も増えてしまう事になります。

納税者や税理士の協力があってこそ、円滑に税務調査を行う事が出来る訳で表立って納税者や税理士と対立するわけにはいかないのが組織としての税務署としての本音なのです。

以上の事から調査官は意外とトラブルを避けたがるものです。


個人課税部門、資産課税部門の税務調査は人事異動後の7月~12月が最盛期となります。しかし、年明けからは確定申告期間となるために調査は行われなくなります。

税務調査の年間スケジュール

1月 確定申告期間  
2月  
3月  
4月  
5月 申告処理・調査選定  
6月  
7月 調査期間 7月10日 人事異動
8月  
9月  
10月  
11月  
12月 原則12月末までに調査終了



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